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  • 執筆者の写真Yuki Ogino

最近の浮世さん便り24年5月号(話題がたくさんなので)


┗…どうなんですかね。「結局は才能だ」と言い切るのは簡単ですが、それがいい方向に向かった例を私はあまり知りません…。



【今日のブログの話題】

①EAO2024終わりました&出品作品「春嵐(しゅんらん)」について。

②名刺と表現方法が少し変わりました。

③今後の方針について。


①「EAO2024」終了&出品作品「春嵐(しゅんらん)」について」

5/1~5/5に阿波座の芸術創造センター「enoco」にて開催されておりました

公募展「Emerging Artists Osaka 2024」が無事終了しました!

これも参加作家の皆さん、運営・主催のTRI-FOLDの皆様、搬入搬出代行サービス岩井様など

様々な人たちのお力添えがあってこそかと思います。皆様、本当にお疲れ様でした。


さて私、浮世から出品していたのはこちらの作品です。

コンセプトは会場で表示されませんでしたので、このブログで初公開です。

■title:「春嵐(しゅんらん)」

■size:1167×1167mm

 S50パネルに水彩紙水張り、リキテックスリキッド、ペンで描画、アクリルガッシュで垂らし


◆concept:

出会った瞬間世界が輝き出し

見つめられれば目を伏せて

見つめてばかりで目は合わず

会えない時間は想いを焦がし

失えば世界から一切の明かりが失われる


しゅん‐らん【春嵐】

〘名〙

① 春に吹くあらし。


◇concept解説

<解説>

作品制作・作家活動そのものを「恋」に例えた作品。

評価を必要以上に気にしてしまうのも、世界が輝いて見えるのも、

世界が真っ暗になるのも、恋愛をしてるときの胸中に似ている。


タイトルの「春嵐」は「春に吹く嵐」のことで、春特有の不安定な気候を表した言葉。


<技法面の解説>

背景の下地は寒色系(青系)でまとめ、理性を表現。

ペンによる描画は同じく意思や想いなど、頭の中の思考を表現。

その状態の作品に不透明度の高い絵の具(アクリルガッシュ)を上から垂らして、

本能や制御できない感情(恋心)を表現。


■作者浮世からの所感

最初はもっと違うコンセプトでした。流れとしては

「迷い」を肯定したコンセプト→「評価」を表現したコンセプト→「恋」を表現したコンセプト(最終) です。


なぜ「恋」というものを表現したかったかというと、

「恋」は私の作家活動における大きなテーマである『「ゆらぎ」に「かたち」を与える』ことの本質をついているのではないか?と思ったからです。


詳しく解説しますと、「恋」という経験はその最中で多くの「ゆらぎ」に遭遇すると思ったのがきっかけです。

正直、私は『「ゆらぎ」に「かたち」を与える』というテーマを掲げながらも「ゆらぎ」および「ゆらぐ」というものにはコンプレックスや抵抗感を感じています。できれば、「しっかりしている」「ちゃんとしている」と思われたい欲求が強くあります。それは自己が「ゆらぐ」ことへの恐怖でもあります。しかし、「恋」はそういった「しっかり」「ちゃんと」といった固定概念を破壊していく、極めて暴力的な「嵐」といっていいでしょう。


私は自分自身の中の「ゆらぎ」を認めることができないまま、『「ゆらぎ」に「かたち」を与える』ことをテーマに活動してきました。しかし、最近はそういった自分の「ゆらぎ」の部分、有体にいうと「ちゃんとしてない」「どうしようもない」自分を受け入れようと思うようになりました。その決意表明を込めたのが今回の「春嵐」です。


結果としては選外となりましたが、作者個人としてはとても好きな作品になりました。

あなたにとってもそうであれば嬉しいです。

※Instagramには投稿用の画像を作り次第upします!




②名刺と表現方法が少し変わりました。

名刺が更新されました。それに伴って、名刺に使う画像(過去作品)をリメイクしました。

Instagramに三つのフィード投稿が上がっているかと思いますが、そのキャプションを引用します。

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今回、様々な作家さんの作品や私自身の経験からヒントを頂きまして、今までは「インクもしくは絵の具による抽象表現」+「ペン画」だったところを、最後の仕上げに「不透明絵の具による垂らし表現」を追加しています。


その「垂らし表現」を加えるきっかけになったのは、やはり私の表現活動の大きなテーマである「ゆらぎにかたちを与える」という言葉からでした。このようなテーマを掲げている割に、私は自分自身が「ゆらぐ」ことをあまり良しとしてきませんでした。なのにも関わらず、感情というものは厄介で主の理性を飛び越えて、強く反応します。それは半強制的な現象であり「自分ではコントロール不能」です。「涙」がその代表例ですね。


私はそういった「コントロールできない情動」に対して、強い恐怖と抵抗感を感じていました。あんな大それたテーマを掲げているのにも関わらず、いやだからこそ自分の作家活動のテーマに掲げているのかもしれません。畏れのない尊敬などありはしないのですからね。


そして、私は「自分の中のコントロールできない情動=ゆらぎ」を作品の中に落とし込むことにしました。もちろん今までの形も尊重しつつ、新しいエッセンスとして「垂らし表現」を追加しました。


この表現は、不透明絵の具を完成した(筆致や配色でコントロールした)作品の上から垂らしています。それは一瞬の時間をもって降り注ぎ、どうあっても自分の思い通りにはいきません。自分でも思いもしない方向へ、流れていきます。


それをどうしようもなく受け入れ難いと思ったとしても、作品の中に何度も「表現」することで、いつか自分の中に溶けゆくのだろうな、と思っています。

もし、私のような気持ちをもっている方や共感できる方に私の作品や想いが届いているのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

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③今後の方針について。

主催の方々もおっしゃっていましたが、EAO2024というレベルの高い公募展に出品できたこと、

自分の意思で出たいと思ったことをまず手放しで褒めたいと思います。


レベルの高い作品たちの中で私が見つけた課題は

・『自分の大切なテーマの一端である「ゆらぎ」の原点に立ち返っての、モチーフ(テーマ)の解像度を高めること』

・『「ゆらぎ」および「かたち」への深い理解と作家としての自己解釈』


です。

絵画的な技法面の練度というよりは、作品の説得力を上げるための知識、情報、造詣を深めていきます。

あまり話していないので印象が薄いかもしれませんが、「ゆらぎ」を大きなテーマに掲げたきっかけには

(理科の)物理的な「揺らぎ(fluctuation)」の存在が大きく、また私のパートナーの専門分野(物理)の話を聞いていたことが大きいです。


そういった私の作家活動の中で「なんとなく雰囲気で」使っていたワードの一つ一つをきちんと説明できるように、

自身の表現したい世界観を鮮明にしていく必要があるな、と思いました。



もっと簡単にいうと、おそらく今年の下半期以降は自分が納得できるまで大規模な賞が出るような公募には出ない予感がしています。

それよりも、自分自身の作品をたくさん作って(かなり久々の)個展ができないかな、と思っています。


とにかく、やり切った解放感と疲労と心地よい余韻が私を包んでいます。

今回の機会・チャンスを作っていただいた全ての皆さんに感謝の意を表明したいと思います。


まだまだ未熟な私ですが、これからも精進して進んでいきたいと思います。


2024/05/07 浮世.

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